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老化を”3年”遅らせる?注目の栄養素とは!サイエンス
| 2025-05-30
最近の研究で、あるビタミンの摂取が「細胞レベルでの老化」を平均3年遅らせる可能性があることがわかってきました。
キーワードは「テロメア」と呼ばれる細胞内の構造です。
‐テロメアってなに?
テロメアとは、細胞のDNAの末端にある“ふた”のような部分。
年齢とともにテロメアは短くなり、ある程度まで短くなると細胞は分裂できなくなります。
つまり、テロメアの長さは「細胞の寿命」や「老化の進行度」を示すバロメーター。
‐そのテロメアを守るのが「ビタミンD」
最新の研究によると、ビタミンDをしっかり摂っている人は、テロメアがより長く保たれていることが明らかに。統計的には、ビタミンDが不足している人と比べて、約3年分老化が遅れていると推定されました。*
‐ビタミンDはどう摂ればいい?
① 日光浴
1日15〜30分程度、顔や腕に日光を当てるだけでもOK(ただし地域、季節、年齢、サンスクリーンを塗っている人などによって異なります。
② 食事
鮭・サバ・イワシ・きのこ類などに多く含まれる(特に乾燥したシイタケなど)食材を積極的に選ぶ。
③ サプリメント
冬場や日照不足の人、夜勤の看護師の方々、日焼け止め、日傘、アームカバーなどを使用される方はサプリメントを有効活用すると効率的で確実。
????なぜ注目されているの?
がんや心臓病、認知症などの生活習慣病にも関与すると言われているビタミンD。
テロメアを守ることで、見た目の若さや健康寿命の延長にもつながる可能性が期待されています。
ビタミンDは「細胞の若さ」を守る重要な栄養素。老化のスピードをゆるやかにする可能性があります。
でも、2023年慈恵会医科大学の発表によると日本人の98%がビタミンD不足ということが判明しました。
日光浴や食事からは十分ではないということであれば、サプリメントを有効活用することが理にかなっています。
ビタミンDの1日の摂取上限は成人で4000IUとされており、今回使用された2000IUはその半分の安全域内です。2000IUは50μgに相当します。
ビタミンDは骨や歯の健康、免疫力強化などで広く認知されています。昨今は、世界的レベルの研究において、がんや心臓病、認知症などの生活習慣病にも関与すると言われています。
ビタミンDを十分に摂取することで、他の良い効果と共に、老化スピードにもいくらかブレーキをかけられるかもしれません。
*出典:Haidong Zhu, JoAnn E Manson, Nancy R Cook, Bayu B Bekele, Li Chen, Kevin J Kane, Ying Huang, Wenjun Li, William Christen, I-Min Lee, Yanbin Dong, Vitamin D3 and marine ω-3 fatty acids supplementation and leukocyte telomere length: 4-year findings from the VITamin D and OmegA-3 TriaL (VITAL) randomized controlled trial, The American Journal of Clinical Nutrition, 21 May 2025
