還元率というマジックについて雑感
以前エントリで書きました通り、先月はAPクルーズで色々な方々とじっくり話をすることができました。韓国の営業部長と台湾のカスタマーサービス部長と私の三人で話し込んだことを書きましたが、その中で「あ~、それそれ!」というものがありました。この業界ではまことしやかに語られる還元率についてです。
「還元率というものほど、当てにならないものは無い!」というのが我々三人の意見でした。この業界現場で語られる還元率というものは、「期待値」が先走り過ぎていると感じます。「期待値」「計算値」「実測値」、それぞれかなり差があるように感じます。
ユサナはニューヨーク証券取引所に上場しておりますので、この還元率についてはガラス張りです。例えば2013年の年次レポート、46ページをご覧ください。
2013年の列を見ますと、Cost of salesが17.7%と出ています。これは売上100%に対し、売上原価(製品原価とは異なりますが、近いと思って頂いて良いでしょう)が17.7%であるという意味です。これを差し引いたグロスの利益が82.3%であると示しています。次にOperating expensesの項目となります。いわゆる費用項目です。最初に来るのがAssociate incentives、これこそアソシエイト会員の皆様に支払ったコミッション、ボーナス、プロモーションなどで行ったインセンティブ等の合計です。 つまりこの42.9%というのが、2013年のユサナの還元率となります。その次にSelling, general and administrative、一般管理費が来ます。社員の給料やオフィスの賃料などなどですが、これが売上に対して23.1%掛かったという意味です。これらを差し引いて税引前利益が16.3%、税引後で11.1%という見方をします。比率的に言うと、非常に健全です。税引き後で収益率二ケタ確保しながら、売上原価も還元率も悪くありません。
つまり、還元率というものは、その会社の財務諸表を見なければ分からないことなのです。マーケティング・プラン上7割だ8割だと言う方もいらっしゃるのですが、正直滑稽に映ります。もしそれだけの還元を実測値で行ったとするならば、売上原価と管理費は、いったい幾らなの???こう思ってしまいます。還元の原資にはならない雑収入(配送料など)もあることが多いでしょう。そしてポイントの付かない製品は還元の対象でなかったり。。。表現の方法はいくらでもあるものです。
会社の経営を考えると、還元率7割とか8割はあまりにも非現実的な数字です。上場企業の還元率を見てみると、30%代前半から40%代前半に落ち着いているようです。財務を理解すれば、当たり前のことであります。
MLMにチャレンジする際、会社選びにはマーケティング・プランをしっかり理解しなければいけません。しかしこの時、あまり還元率を気にすることは無いと思います。それより、プランに見え隠れするその会社の理念や理想といった、考え方を見抜くことが重要です。限られた原資を少ない人数でより多い金額で配当するのか、もしくは少ない金額をより多くの人で分配するのか?会社によってこの辺に考え方の差が出てくると思います。
代表取締役 福田
プロフィール
ユサナ・ジャパン・
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科学をベースにした、最高品質のヘルス・プロダクトを開発し、ネットワーク・マーケティングを通じて世界に頒布することで、アソシエイト会員、株主、社員に素晴らしい収益をもたらす機会を創造する。